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成徳深谷高校サッカー部での3年間/2018年度主将 佐藤蒼太

 

「このチームで県No.1になり全国大会に出場する」

 

そんな大きな目標を口にしながら成徳深谷高校に入学した。

 

しかし、当時は目標というより夢に近い感覚で、心のどこかで実際に達成するのは厳しいことだと思っている自分がいた。

 

自分は中学時代に在籍していたクマガヤSCで全国大会に出場し、埼玉県でNo.1にもなった。

 

しかし自分の立ち位置はサブメンバーで、ほとんど試合に出ることは出来なかった。実績があるチームにいただけであり、自分は何一つ貢献できなかった。

 

高校に入ったら必ず試合に出て「自分の力で結果を残したい」と中学生の時から強く思っていた。

 

だからこそ、当時はサブメンバーだったが、毎日腐らずに練習に取り組んだ。

 

練習メニューで多くあった走り込みでも常にトップ集団に入り続けた。そこは自分の中でブラしてはいけない部分だと思い、中学の3年間やり続けた。

 

そして、中学を卒業し成徳に入学。

 

新入生のみでの練習会は入学前から行われていたが、入学後に初めて高校生と一緒に練習をした。

 

中学時代とは比べものにならないほどの身体と身体のぶつかり合い、当たりの強さ、身体の大きさ、上手さ、プレーの判断、プレーの質、組織力、そして精神力、全てにおいて成長しないといけないと感じた。

 

走りには自信があったが、上手いわけでもなく、身体も軽くガリガリで身長も高くなかった。強くなるにはたくさん練習してたくさん飯を食べて筋トレをするしかなかった。

 

トレーニングが終わった後も毎日一緒にいた高崎線組と1番最後になるまで自主練や筋トレをした。

 

夜遅くまでみんなとボールを蹴る。みんなと自主練をした後、ワイワイ騒ぎながらふざけたりサッカー以外のことも色々な話をする。それが毎日の楽しみになっていた。

 

そして2年生になり、自分も本格的にトップチームとして活動するようになった。

 

トップチームとして活動していく中で、埼玉県の厳しさ、勝つことの難しさを痛いほど味わった。

 

勝てない日々が続き、課題を改善しても、チームとしてまとまっていても結果が出ない。

 

自分の力不足で負けてしまった試合も少なくない。個人としての力のなさを感じ本当に辛く大変な1年だった。

 

3年生の先輩たちがこんなに努力しているのに目標に届かない高校サッカーの厳しさを改めて感じた。

 

本当に優しくて、大好きだった先輩たちから学んだことは、自分たちが活かさなくてはいけないと強く思った。

 

先輩たちと闘って負けてしまった選手権の悔しさは今でも忘れていません。

 

3年生が引退をして、最高学年となった。

 

まだ成徳に来て入学当初に掲げていた目標を何一つ達成することができていない。

 

今まで勝つことが出来なかったこのチームで勝つためにはどうしたらいいのか。自分たちよりも強い相手を倒して上に行くためにはどうしたらいいのか。

 

そういった焦りや不安を抱えながら迎えた新人戦。

 

シードはなく北部支部予選からのスタートとなった。

 

支部予選を順調に勝ち進み、迎えた県大会。

 

結果は成徳史上初の埼玉県優勝。

 

 

入学当初は夢のように思っていた県No.1という目標を、新人戦ではあるものの達成することができた。

 

勝つことで初めて見ることができた景色があり、勝つことでより一層仲間との絆が深まる経験ができた。

 

選手全員がスタッフのことを信じて、自分たちを信じて常に挑戦者という気持ちを持ち続けたことが出来たからだと思っている。

 

そして、なによりもメンバーに入れなかった仲間たちの存在が大きかったのだと思っている。

 

本当は悔しい思うし、自分たちだって試合に出たいという気持ちは少なからずあったはずだ。

 

選手であるのに、大会になるとチームサポートとしてベンチに入り、選手を支え続けてくれた仲間がいた。

 

そういった仲間たちがいたからこそ、続く関東予選でも県No.1になることができ、関東大会でも準優勝することができたのだと思う。

 

 

 

インターハイではあと1つ勝てば全国というところで破れてしまった。

 

手が届きそうで、届かない。まだまだ自分たちは弱い。強くなるためには何かを変えていかなくてはいけない。

 

最後の選手権で必ず全国大会に出るために、130人の部員全員で行う全体合宿を乗り越え、選手権に向けての食生活の見直し、トレーニングの質を上げるためにはどうしたら良いのか、勝ちにふさわしいチームになるために細かいところを改めて見直した。

 

人生で一番と言えるくらい準備をして挑んだ選手権。

 

自分たちらしく良さを出し、準備してきたことを出せていた。

 

しかし、結果はベスト4。

 

勝負の厳しさを突きつけられた。

 

延長後半のラスト5分で失点した時の感じたことの無い焦り、高校サッカーが終わってしまうという恐怖は一生忘れることは出来ないだろう。

 

最後まで最高の応援をしてくれた仲間、チームサポートとして支え続けてくれた仲間、家族、厳しさの中にも、心を込めて指導してくださったスタッフ、支えてくれている全ての人のことを考えると涙が止まらなかった。

 

全国大会に出るという目標を達成することは出来なかったが、この3年間で本当に多くのことを学ぶことが出来た。

 

サッカーについてのことはもちろんだが、人として大切なことを学ぶことができた。

 

細かいことにもこだわり続ける大切さや、本気で目標を達成するためにお互いの気持ちを伝え合うことの大切さを学ぶことが出来た。

 

筋トレにも励み1年生の頃に比べたら体重も約15キロほど増やすことができた。

 

決して楽なことばかりではなかったが、今振り返ると本当に夢のような楽しい3年間だったと思う。最高の仲間に恵まれて本当に幸せだった。

 

キャプテンとして、面倒くさいようなことも山ほど言ったけど自分を最後まで信じていてくれたみんな、本当にありがとう。

 

高校生としての3年間を成徳で過ごすことができ、本気になってサッカーに打ち込むことができた日々は一生の宝物。

 

 

 

支えてくれた人、応援してくれた人、最高の仲間たち、スタッフ、本当にありがとうございました。

 

 

 

成徳に入ってよかった。

 

 

 

 

 

平成29年度 主将 佐藤蒼太#8

 

 

 

 

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