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– pick up player 立石康太 tateishi kota


立石康太 tateishi kota
北本キッカーズ→FC深谷→成徳深谷高校

「愚直」この言葉は彼のためにあるのではないだろうか。そんな真っすぐな男こそ、成徳深谷のキャプテン立石康太である。ピッチ内・外での彼の存在は成徳深谷を支え続け、気づけば大黒柱として成長し躍進をした。文武両道はもちろんのこと、今後、大学サッカーでさらなる高みを目指すことを選択。そんな立石がどのような三年間を過ごしたのかを取材してみる。

–まずは三年間お疲れさまでした。成徳での三年間を振り返ってみてどうでしたか?–

酸いも甘いも体感しましたって感じですね。
自分たちが一年生の時に、当時の三年生が関東大会埼玉県予選で優勝し、本戦では決勝で前橋育英に1-2で敗れたものの、結果は準優勝。カッコよかったし憧れましたね。あの舞台に俺らも立ちたいって。でも、現実は甘くなかったです。
一年次、入学して初めての公式戦(U16ジョガドーリスリーグ一部)がありました。あれは衝撃の幕開けでしたね…。相手は、日体柏高校でした。何失点したのか記憶にありあません(笑)。ボコボコにやられ叩かれた記憶しかないですね。そこで「あっ、俺らは先輩方みたいに強くないんだな。弱いんだな。」と痛感しましたね。菅井コーチ(U16担当コーチ)にキャプテンを任命され、立場的にも責任を感じました。その後も、山梨学院高校と対戦して負け。公式戦があるたびに負け続けました。ですが、そんな状況だからこそ分かったことがありましたね。「弱いと分かっていることが最大の強みではないのか…」だからこそ、このままじゃ追いつけないし、追い越せない。トレーニングも本気で向き合えたし、勝利にどん欲になっていきました。菅井さんのトレーニングは、正直厳しかったですが、本気で勝ちたいという熱量がすごかったです。だからこそ、俺らも応えなきゃいけないと感じたしメンタル面も強くなれたので、この経験はその後のステージでの糧になりました。ありがとうございました。

二年次は、主にS1リーグ(埼玉県1部リーグ)を主戦場に活動しました。監督にはサイドバックからサイドハーフにコンバートされました。最初、出場機会は多々ありましたが、なかなか思うようなプレーができず、プレーに迷いが現れましたね。なので、シーズンが進むにつれて、自分のサッカー人生の中で初めて試合に出場できない時期というのが訪れました。どうしていいのかわからなくなりましたね。また、先輩や仲間とのコミュニケーションがうまくいかない時期も重なりました。人生の挫折ってものなのかな?その経験をした時、家族にも物凄く心配をかけました。ごめんなさい。でも、それがなかったら天狗になっていたかもしれないと思っています。

三年次は、新人戦から選手権まであっという間でしたね。いろんなことが異例づくしでしたからね。

—コロナ禍での活動でしたからね。3年生にとって難しいシーズンでしたよね。立石選手は、自粛中どのような気持ちでトレーニングをしていましたか?–

心理的な面は不安だらけでした。このまま高校サッカーが終わってしまうんじゃないかとか、試合は本当にできるのだろうか、皆とまたサッカーができるのだろうか。チームとして活動できない状況にイライラした時期もありました。
でも、自粛中に定期的に行われていた、選手とスタッフ間で行うリモートミーティングで、監督が「必ず再開は来る。その日のために準備をしよう」と、皆に希望を持たせてくれました。再開したときにどれだけ自分がアピールできるか、またピッチ外でもアピールするために精神面も鍛えないといけないという気持ちが原動力になりましたね。その時期に、大学サッカーを本格的に視野に入れました。自粛中は各リーダーを中心にランニングや、体幹トレーニングなどを行うグループを作成して実施しました。(成徳には役割に応じた組織が、選手主導で形成されている。)アプリを使うことで仲間がどれだけ実施したのか見えたので負けられませんでした。そのおかげでモチベーション高くトレーニングをすることができました。

–そうだったのですね。では皆でサッカーができると分かった時は….?

もうそれはそれは…喜びは爆発でしたよ。(笑)自粛中トレーニングは本気でやっていましたが、やっぱり同じ目標を持った仲間と本気でNo,1を目指しているので、部活だからこその熱量が楽しすぎました。そのおかげで気づいたことがありました。こんな時間を長く続けたい。もっとサッカーと向き合ってうまくなりたい。
成徳深谷サッカー部としてもっともっと高みを目指したくなりました。だからこそ、一日も無駄にできないなって。

そもそも、なぜ立石選手は成徳深谷高校に進学を決めたのですか?–

やっぱり守備ですかね。元々、中学時代にFC深谷というクラブチームに所属しており、ポゼッションを中心としたサッカーを学びました。そのクラブで学んだことにプラスして、今の自分に何が足りないか考えたときに、成徳の守備は自分にないものを培ってくれる環境だと思いました。コンタクトスキルを求める成徳に対して、自分のスタイルが強みになってくるのではないかとも考えました。

–そんな立石選手はどのようなプレイヤーですか?–

自分は、試合の流れを読んでプレーできることが特徴だと思っています。状況や時間帯に応じてどういうプレーを選択するべきかを考えて実行・発信できることが強みだと思っています。また、キック精度には自信があります。なかでもアーリークロスが自分の武器です。DFの選手として、やはりGKとDFの間に入れられるボールって対応が難しいし嫌なんですよね。だからこそトレーニングで磨きました。ちょっと性格悪いなって思われるかもしれませんが、試合で良いポイントにアーリークロスを上げた時に、相手が嫌な顔するのが好きなんですよね。それが相手の脅威になっている証拠じゃないですか。またプレスキックも蹴らせてもらいました。誰にも負ける気がしなかったですね。高校でたくさんミスをして、チャレンジしたかこそ唯一無二の武器が身に付きました。

–監督の印象を教えてください.

良い意味で“堅い”とこですかね。サッカーが好きだということがどどどーーっんと伝わってきます。(笑)正直、要求が難しすぎたこともありましたが、最後まで寄り添ってくれて考えてくれる監督でした。

–そんな為谷監督の下で挑んだ数々の大会。新人戦ベスト8に始まり、S1リーグ3試合を経て、最後の選手権が開催されましたね。振り返ってみてどうですか?–

今年は県大会からではなく、北部支部予選から始まりました。苦戦もありましたが、何とか北部で優勝し県大会に出場しました。新人戦県大会の初戦は、細田学園高校でした。先輩方が昨年の選手権予選で敗戦していた相手でしたから気合が入りましたね。毎日、毎日、本当に毎日、監督・コーチ陣とミーティングを重ねました。なので当日は、自信をもって臨むことができました。結果はPKで勝利し駒を進めることができました。その後、ベスト4を賭けた武蔵生越戦。結果は0-1で敗戦…悔しかったですね。そこから、関東大会でこの成績を超えようと思った矢先にコロナで中止。インターハイも中止になりました。

自粛が明けてから9月に、S1リーグが3試合が開催されました。(武南1-0、正智深谷、0-4、西武台0-1)
その中でも印象に残っている試合は武南戦ですね。あの試合はチームのまとまりを感じました。それまでなかったような仲間を鼓舞するような声かけがチーム内から多く出てきたんですよね。初めての公式戦ということもあったのか。S1武南戦の週は、モチベーションを高く保つことができました。ベンチワークも最高でしたね。

その公式戦を経て、埼玉県高校サッカー選手権予選が開催されました。自信はありました。けど、応援がない、無観客。異例づくしで違和感はありましたね。試合は開始してすぐに失点してしまいました。序盤の失点でチームは浮足立ってしまった印象です。最後まで奮闘しましたが、結果は0-2の負け。最初は負けた実感がなかったんですよね。でも仲間が近づいてきて涙が止まらなくなってしまって。そこからは、悔しさしか残りませんでした。

 

–仲間の大切さを感じたのですね。そんな仲間に向けて今どんな気持ちを抱いていますか–

たくさんの方に感謝の言葉を述べたいのですが。(笑)

特に、6年間共にプレーをした胤巳(佐藤)には感謝しかありまん。胤巳とのサッカーが楽しかったですね。

誰よりも胤巳に相談して悩んだし、その時間が財産でしたね。胤巳とサッカーができて幸せでした。

他にも西、平久江、高橋、達矢….挙げるとキリがありませんが、人生を大きく変えてくれた人です。出会えたことに感謝です。

 

 

–最後に後輩やこれから入学する選手にメッセージをお願いします–

全てにおいての粘り強さ、耐力(体力)が身につきます。それはこれからのステージでも自分の糧になることだと思ってます。

そして色んなことを経験した方がいい。良いこともあるし辛いこともある。意味がないと思ったらそこで成長は止まるし、どんな時でもプラスに捉えてやってほしいなって思います。

1・2年生は学校にも慣れてくるし、コーチ陣を信じて頑張ってもらいたいですね。大事なことは、サッカーが好きじゃないと何においても成長できないってこと。好きでいることによって色々な角度から取り組めるし、それはサッカー以外の面でも成長にも繋がるし、努力が実ったらそれこそチーベションや自信に変わるから。今のままでは満足していてはいけない。自分の満足だけではチームは落ちていくだけ。熱量も下がってくる。チームのことを考えて努力をし続けてほしいです。